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包装試験の種類とその目的
- 包装
前回のブログでは「包装の役割と重要性」について取り上げました。今回は、包装の性能を客観的に評価する「包装試験」についてその種類や目的をまとめました。
包装試験の目的とは

JBLの包装試験ラボで撮影。幅広い包装試験に対応しています
包装試験は、製品や包装材が輸送や保管中に受ける様々な負荷や環境をシミュレーションし、それらに耐えられる設計になっているかを確認・評価するために実施されます。適切な包装試験を実施することで、輸送や保管中における品質低下のリスクを抑え、製品の安全性と品質を確保します。
【包装試験の主な目的】
●製品の破損・故障リスクの事前把握
●流通環境に耐える適正な包装設計の検証
●過剰包装の見直しとコスト最適化
●顧客要件や国際輸送基準への対応確認
包装試験の主な種類と目的
包装試験にはいくつかの代表的な手法があります。それぞれの目的や試験内容を簡単にご紹介します。
■ 落下試験(Drop Test)
目的: 荷下ろし・積み替え時など、製品が落下した際の衝撃に耐えられるか確認
概要: 一定の高さから製品を複数の面・角・辺に向けて落下させ、破損や変形がないかを評価します。製品の重さやサイズにより落下高さを変えるのが一般的です。
■ 振動試験(Vibration Test)
目的: トラックや船、航空機による輸送中の継続的な振動に耐えられるかを確認
概要: パレットや箱を振動台に固定し、輸送時の振動を模擬して製品や包装材に及ぼす影響を調べます。特に精密機器や長距離輸送では重要な試験です。
■ 圧縮試験(Compression Test)
目的: 積み重ねや上積み荷重による潰れや構造破壊を防ぐ
概要: 上から圧力をかけて、梱包箱の耐久性を確認。物流倉庫や輸送時の積載荷重に耐えられるかを評価します。強度不足は下層製品の破損リスクに直結します。
■ 温湿度試験(Climatic Conditioning)
目的: 高温・低温・高湿度など、厳しい環境下での劣化や品質変化の有無を確認
概要: 試験用チャンバー内で温度や湿度の条件を変化させ、長時間保管や船便輸送などを想定した包装の耐久性を検証します。特に食品、化学製品、紙製品では重要です。
信頼向上につながる規格に基づいた包装試験の実施
包装試験は、ASTMやISTA、JISなどの国際・国内規格に基づいて実施されるのが一般的です。これにより、客観性のある評価結果が得られ、顧客や海外輸出先からの信頼向上につながります。
【代表的な規格】
ASTM :米国規格。アメリカでは最もメジャーな規格であり、特に北米向け輸送の評価としては信頼性が高い。
ISTA :国際規格。世界中で広く使用されており、包装形態や製品の特性に応じた試験を選択できる。
ISO :国際規格。国際的な輸送を行う際の包装評価に対応できる。
JIS :日本の国家規格。特に日本国内の基準に対応
包装試験の実施でリスクの「見える化」を
包装試験を行うことは、目に見えないリスクの見える化に繋がります。
●製品破損による返品・交換コストの削減
●顧客満足度の維持と企業イメージの向上
●過剰包装の見直しによる資材費の削減
●環境負荷低減とサステナブル対応
このような観点からもぜひ包装試験をご検討ください。
包装試験やその他包装に関するご相談等はお気軽にこちらよりお問合せください。
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【 掲載内容 】
■ 包装について
■ 包装の必要性と役割について
■ 流通過程におけるハザード要因(危険要因)
■ 輸送包装試験規格(試験方法一般通則)
ASTM D4169, ASTM D7386, ISTA, ISO 4180, JIS Z0200等
■ 包装試験の主な種類と目的
・ 落下試験
・ 振動試験
・ 圧縮試験
・ 温湿度試験